[論文紹介]
拙著です。
ヒアルロニダーゼによる溶解治療後に起こりうる二次性末梢性塞栓症の概念について論文にまとめました。
比較的太めの血管内で塞栓症状を起こしていた場合、ヒアルロン酸の塊をヒアルロニダーゼで溶かしたあとに①溶かしきれず中途半端なサイズになったヒアル破片もしくは②ヒアル塊の手前に形成された微小血栓が、さらに下流の抹消血管に移動して、そこで新たな塞栓(血栓)を呈する可能性があります。
②に関してですが、たとえごく短時間の血管内閉塞であっても、堰き止められた乱流により微小血栓が形成されている可能性が高いことは、手指再接着や皮弁移植術で顕微鏡下の血管吻合に従事したことのある形成外科専門医なら容易に想像がつくことです。
症状の強い血管内ヒアルロン酸フィラー塞栓に対して大量のヒアルロニダーゼを使用して溶解療法を行った場合は、即時型アレルギーだけでなく、上記の二次性塞栓の可能性も頭の片隅に置いておくことが重要です。
その際はヒアルロニダーゼの再投与や、場合によってはウロキナーゼ等の血栓溶解療法の可能性もあるでしょう。
ヒアルロン酸注入はそんなにお手軽、単純な施術では無いのです。
医師選びは慎重に。
BR CLINIC GINZA(@brclinicginza)